最近では芸能人がLGBTQであることをカミングアウトすることも増えてきて、SNSでもLGBTQの仲間が探しやすくなってきました。
そんなムーブメントもあり、
もしかすると、同性愛が日本国内でも認められ始めたのでは?
と考える人もいるかもしれません。
海外では34の国や地域にて、同性婚が可能となっていますが、日本では一体どうなのでしょうか。
また現在の日本のLGBTQに対しての状況はどのようになっているのか、当事者目線からお話していきます。
現在も日本で同性婚は認められていない
世の中でLGBTQという存在が認識されるようになってきているものの、現在も日本では同性婚を認められていません。
同性婚についてメディアで取り上げられる機会は増えてきたものの、憲法24条1項で
婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により維持されなければならない
と定められていることから、同性婚を認めるためには憲法改正が必要といわれています。
しかし日本国憲法が施行されてから70年以上が経過し、憲法の条文が改正されたことは過去にないので、同性婚の実現をするために憲法改正が必要という考えであれば、日本で同性婚を実現することは難しいという見方もできます。
同性婚実現に向けて動きがある
憲法改正が必要であれば、同性婚の実現は難しいという見方ができる反面、実は同性婚実現に向けて国内でいくつか動きがあることをご存知でしょうか?
2019年2月14日に、全国13組もの同性カップルたちが東京・札幌・名古屋・大阪の地方裁判所にて、
同性婚を認めないことは、人権侵害・憲法違反である!
として、国相手に訴訟をしたことがメディアでも取り上げられていました。
とはいえ、同性婚に向けての法整備は進んでいないのが現状です。
しかし、地方自治体や企業によっては、同性パートナーを認めるという動きが広まってきていて、同性パートナーがいる社員に対して配偶者がいる社員と同じように手当を支給する、という企業も出てきました。
同性パートナーが配偶者と同等の扱いをしてもらえるのは嬉しいですよね!
同性婚の代わりとなる制度がある
同性婚は未だに日本では認められていませんが、結婚の代わりとなる制度が2つあります。
その制度というのが
- パートナーシップ制度
- 養子縁組制度
上記の2つとなります。
一体どのような制度なのか、メリットデメリットはあるのか、以下で詳しく紹介していきます。
パートナーシップ制度
まず、パートナーシップ制度というのは
自治体が独自に定めている同性カップルのパートナーシップを公的に認める制度
ということです。
2015年に東京都・世田谷区と渋谷区から始まった制度で、今では250以上の自治体でパートナーシップ制度が認められています。
そうはいっても、パートナーシップ制度と同性婚というのは全くの別物で、具体的に何が違うのかというと
結婚に相当する関係という証明書を発行し、いろいろなサービスや社会的配慮が受けやすくなる制度
なので、結婚に相当する関係というだけで、法的に認められているわけではないので、相続などの問題はクリアすることができません。
しかし、病院で家族と同等の扱いをしてもらえたり、生命保険の受取にパートナーを指定することができるなど、今までと比べると家族として法的には認められないものの、様々な制度を利用することができるようになります。
養子縁組制度
二つ目の制度である養子縁組制度は、血縁関係のない者同士が法的な親子関係をつくる制度となります。
そのため、パートナーシップ制度とは違い法的に認められた関係にはなるものの、婚姻関係とはまた違った関係を築くことができる制度です。
法的に認められた親子関係ということなので、親族関係であるということを主張できるため、相続権を得られたり、所得税控除を受けられたり、遺族年金の給付を受けることも可能です。
しかし、メリットもあれば当然デメリットもあります。
養子縁組制度のデメリットとしては
・養子縁組制度を解消する際、財産分与などの法的保護が無い
・同性婚が可能となった際、養子縁組を解消して婚姻関係となることは認められない
上記の2つが挙げられます。
養子縁組制度は、法律上の夫婦のように強く法的に保護されているわけではないので、トラブルが起こる可能性もあります。
同性婚が認められないことによるデメリット
日本でたくさんの同性カップルが国に対して訴えを起こしている中、同性婚が認められないことによるデメリットは一体何なのだろうか?と考える人ももしかしたらいるかもしれません。
同性婚が認められないデメリットは、いくつかあります。
その中でも
- 配偶者や家族として認められないこと
- どちらかが亡くなった場合、相続人になれないこと
上記の2つについてお話していきます。
配偶者や家族として認められない
まず一つ目が、配偶者や家族として認められないということです。
配偶者や家族として認められないと、緊急の医療行為時に同意をすることができなかったり、大きな手術の説明を聞くことができない、税金の控除・優遇を受けることもできません。
パートナーの扶養に入ることもできないので、社会保険料・年金は自分で支払う必要があったり、遺言によりパートナーから財産を受け取ることができたとしても、高額な贈与税がかかってしまう、なんて可能性もあります。
また、もしパートナーが子どもを出産したとしても、法的なつながりがないため、親権を得ることができないので、当然子どもとの親子関係が発生しません。
どちらかが亡くなったら相続人になれない
二つ目に挙げられるのが、どちらかが亡くなった場合に相続人となることができないということです。
同性カップルの場合、法的に夫婦や家族として認められているわけではないので、当然相続人となることができません。
どちらかが不動産を所持していたとしても、相続はできないので退去する必要があります。
もしもパートナーに相続人になってもらいたい、というのであれば先ほど紹介した制度の中の養子縁組制度を利用する必要があります。
養子縁組制度であれば、法的に親族関係として認められているので、相続人となることは可能ですが、他の親族とのトラブルになってしまう可能性も勿論あります。
どうしてもパートナーに遺産を相続してもらいたいという場合は、遺言書を作っておいたり、生前に税理士に相談しておくことをおすすめします。
また、現在は同性カップルでも加入できる生命保険もあるので、パートナーシップ制度を利用して受取人をパートナーにしておくなどしておくと、パートナーに遺産を遺してあげることもできます。
まとめ
さて今回は、レズビアンは結婚できるのか、今の日本の現状についてお話してきました。
結論から言えば、現在も日本では同性婚は認められておらず、相当する関係になる場合はパートナーシップ制度か養子縁組制度を利用する必要があります。
・パートナーシップ制度:結婚と相当する関係という証明書を発行し、社会的配慮が受けやすくなる制度
・養子縁組制度:法的に親子関係と認め、相続や税控除なども受けられるが、同性婚が施行された場合婚姻関係にはなれない
簡単にまとめると上記のような内容となります。
同性カップルへの見方が変わり、同性婚を認めるべきという人も増えてきてはいるものの、なかなか政府が動く気配はありません。
世界各国とは明らかに同性婚に対して遅れをとっている日本ですが、これから一体どうなっていくのか、また同性カップルたちはどのように制度を利用して暮らしていくべきなのか、パートナーがいる人は改めて考えてみるのも良いかもしれません。
少しでも早く同性カップルたちが暮らしやすい世の中になることを願っています。