自分はレズビアンだけど、周囲の人にはそのことを伝えていない
今まで隠し続けていたけれど、これから先も隠し続けなければいけないの？
人によって事情はあるものの、一度はカミングアウトについて考えたことがあるという人もたくさんいるでしょう。
セクシャルマイノリティの人間にとって、カミングアウトするということは、その人との今後の関係性などを考えると最大の難関といっても過言ではありません。
そこで今回は、
他のレズビアンたちは、カミングアウトを行っているのだろうか？
カミングアウトする方法は存在するの？
といった、レズビアンならではの疑問をセクマイ当事者であるわたしがお話していきます。
今まであまりカミングアウトについて考えてこなかったという人も、これを機に是非カミングアウトについて考えてみてくださいね。
カミングアウトってなに？
カミングアウトとは、誰にも言ってこなかった秘密を自分から打ち明けることを指します。
特に、” 自分がセクシャルマイノリティである “であることを打ち明けるという意味で使われます。
セクシャルマイノリティであれば、必ず一度は考えさせられるカミングアウトですが、このカミングアウトというのは、深く考えた上で行動をしなければいけないものです。
自分自身がセクシャルマイノリティであることを公表することはカミングアウトと言いますが、一方で
当人の同意なしでその人がセクシャルマイノリティであることや、セクシャリティを勝手に公表することをアウティングといいます。
実は2015年にある男子学生がアウティングされてしまったことによって、自らの命を絶つという悲しい事件が起きています。
このアウティングという行為は、勇気を出してカミングアウトしてくれた人に対しての信頼を裏切り、その人の居場所を奪うという行為に繋がってしまいます。
セクマイ界隈では本名や個人情報がバレるようなことは言わないように心がけることが大切
カミングアウトしない選択もある
セクシャルマイノリティであれば、必ずカミングアウトしなければいけないのだろうか？と考える人もいます。
結論から言えば、必ずカミングアウトしなければいけないという訳ではありません。
2015年の事件のように、もしかしたら誰かにアウティングされるかもしれない、と周囲の人間に対して疑心暗鬼になるくらいであれば、カミングアウトしないという選択肢も当然あります。
同性婚など法整備が整っていない現代だと、奇異の目でみられる可能性も十分にあるため、カミングアウトするリスクの方が大きいとも考えられます。
カミングアウトには準備が必要
カミングアウトというのは、セクシャルマイノリティの人間にとって最大の難関でもあり、深刻な問題でもあります。
当然ですが、考えなしにカミングアウトをするという人はあまりいません。
カミングアウトをするためには、様々な準備が必要となるのです。
それは果たして、どのような準備が必要なのでしょうか。
具体的には、
・経済的・精神的に自立すること
・周囲のLGBTへの理解度を知っておく
・自分の居場所を確保しておく
・伝えたい内容を書き出しておく
上記4つのポイントについて、詳しくお話していきます。
経済的・精神的に自立をすること
まず一つ目に挙げられることとしては「経済的・精神的に自立をすること」です。
カミングアウトをすることで、雇用元から不当な扱いを受ける可能性があります。
また、家族との関係が悪化してしまうことも予測できるため、自立した生活ができている状態でのカミングアウトは必須条件となります。
周囲のLGBTへの理解度を知っておく
二つ目に挙げられることは「周囲のLGBTへの理解度を知っておく」ことです。
もちろんいきなりLGBTについてどう思う？などと聞くのではなく、テレビなどを見ながらさりげなく聞く方法がおすすめです。
もしかすると両親の世代や会社の上司の世代となると、LGBTに対して偏見を持っているという人も多いです。
そのため、直球で聞くよりかは、ワンクッション挟んで聞くことで、その人の意見を聞きやすくなります。
自分の居場所を確保しておく
三つ目に挙げられることは「自分の居場所を確保しておく」ことです。
カミングアウトをしたことによって、友人関係が絶たれてしまったり、場合によっては家族とは絶縁のような状態になってしまうことも考えられます。
そこで、SNSなどから信頼できる友人をつくったり、コミュニティに属することで、自分の居場所や頼れる人たちを確保しておくことにより、メンタルバランスが極限まで崩れ落ちることを阻止することができます。
伝えたい内容を書き出しておくこと
四つ目に挙げられることとして「伝えたい内容を書き出しておく」ことです。
人間というのは、いざ自分の秘密を他の人に打ち明けようと思っても、伝えたいことがなかなか伝わらず、結局何が言いたかったのか分からない、なんてことが多いです。
カミングアウトというのは、セクシャルマイノリティの人間にとって人生で一番大切で大きな出来事といっても過言ではありません。
そのため、自分が何を伝えたいのか事前に書き出しておくことで、順序立てて話すことができるでしょう。
カミングアウトにはタイミングが大切
続いて、カミングアウトをするにしても、タイミングを見てしなければ、全く聞いてもらえなかったという結果になるときもあります。
人生最大の山場ともいえる大切なカミングアウトなので、カミングアウトをする相手にはしっかり聞いてもらいたいですよね。
そうなれば当然、自分もですが相手にとっても最善のタイミングを見計らわなければいけません。
果たして、カミングアウトにはどういったタイミングが良いのでしょうか。
自立した生活が送られる自信がついた時
カミングアウトに最適なタイミングとして、まず自分自身が自立して安定した生活を送れるという自信がついた時です。
カミングアウトをする相手のタイミングはもちろん大切ですが、まずは基盤ともなる自分の生活を大切にしましょう。
一人暮らしも落ち着いてきて、仕事に対しても自信を持って取り組むことができた
そう感じた時があなたにとって最善のカミングアウトのタイミングといえるでしょう。
その人と向き合う覚悟ができた時
続いては、カミングアウトをする相手と本音で向き合う覚悟ができた時です。
いざ自分の秘密を明かすとなっても、それはとても勇気が必要なことで、人間すんなり向き合う覚悟ができないという人が多いです。
そこまでに辿り着くまでにとても長い時間を要したという人もいます。
偏見を持たれることが多いセクシャルマイノリティということもあり、その人と最悪の関係になってしまっても仕方がないと覚悟ができた時こそが、その人に対してカミングアウトをする最適なタイミングです。
自分とその人の精神状態が良好な時
最後は、カミングアウトをするあなたと、カミングアウトをする相手側の精神状態が良好な時です。精神状態が良好な時というのも、事情により精神状態が不安定な時期というのもあるでしょう。
例えば最愛の家族との別れ、転職・転勤などで不安定な生活など、どうしようもできないことがあります。
カミングアウトをするということは両者にとって、とてもメンタル的に強い影響を及ぼします。
なのでお互いの精神状態が安定している時に、冷静にカミングアウトをするべきです。
もしもどちらかの事情によって精神状態が不安定というのであれば、カミングアウトをする時期を延期することも視野に入れましょう。
さいごに
さて、今回はレズビアンにとっては大きな出来事・カミングアウトについて紹介してきました。
カミングアウトと簡単にいっても、実際は覚悟も準備も必要で、とにかく精神状態が不安定になることも多いです。
しかし、これから先も嘘をつき続けることへの罪悪感だったり、本当の自分を知ってもらいたいという強い思いからカミングアウトに至ることもあるかもしれません。
ただ、カミングアウトは自分をさらけ出すことになるのでもちろん傷つくこともあります。だからこそ、慎重に検討しましょう。
また、カミングアウトは必ずしもしなければいけないものではありませんので変にプレッシャーを感じる必要もありませんよ。
しかし、カミングアウトをするのであれば、あなたにとって信頼のできる人間にだけするということを心に留めておくようにしてくださいね。
